ますは、誕生日であった。47回目。
前兆はあった。かぶせていた歯が根元からぽろりした。
お仕事では、クレームの仕事で、まむしのように屁理屈をならべる関西人とわたりあった。
秋のにおいを感じたので、家の障子戸をはめた。
ゆつくりと晩酌を始めて、日本酒を燗するところで、朱鷺子たちの花火の立会人に選ばれた。
がきどもに、心霊写真撮ってーとせがまれたが、そんな失敗写真を大量に採れる技術がない。
47歳。まだ未熟ゆえに、この世に置いといてください。
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4人いたので、ろうそくを4本立ててやった。
いっせいに火をつけて・・・・
花火を持って、走って行った。
おいらの技術では、火だけしか、写らなかった。
顔を揺さぶった写真を撮った。
ムンクのようなどばっとしたやうな、ろくろつくびのやうな、のびた写真が撮れない。
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その後。
晩酌の後半を終え、朱鷺子がチャルメラを煮てくれた。
おいらの誕生日はこんなもんだ。
ケーキなぞは、あるわけがない。それでいいのだ。