くやしい。
農家として悔しい。
けちけちとして、くやしい。
日帰り温泉に行って、ラーメンを注文した。
おにぎり売ってたので、
「1こ100円かあー」
「こんなんだったら、家から持ってくりゃあよかったな」
しょうがない。ラーメン大盛りも100円だし。
正規料金でお買い上げ、
それにのりもなく、コンビニよりも小さいし。
「よく、炊けているな、うまい」
満足したように、自分を納得させていると。
おにぎりを食べ終わって5分後、場内放送。
「ただいまより、おにぎり2こで100円」
「トン汁は半額の100円、そうざいも値引きします」
「おいおい、それはねーだろー」
地元の人は、それがわかっているらしく、みんなが並び始めた。
妻どのと、やられたーを連発し。
農家としてのおにぎりを買って食うという屈辱と、目の前で半額シールを貼られたが、すでにレジを済ませているスーパー惣菜コーナーの光景であった。
「ぜったい、どこにいくにも、おにぎり」
「正月も、ライスボール!」
その温泉は、こんな暖簾である。
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